WCKとは

ウィメンズカウンセリング京都がめざすもの

ウィメンズカウンセリング京都は、1995年9月に開設されました。私たちは、「女性による女性のためのカウンセリング」という明確な視点に立ち、なによりも女性に役立つカウンセリング実践を第一目標としています。

私たちが実施しているフェミニストカウンセリングの理念は、”personal is political”(個人的な問題は政治的な問題)です。その意味は、相談に来られた方の問題は「その方個人の問題ではなく、この社会、政治の問題なのです」ということです。ウィメンズカウンセリング京都の「あなたの問題は私たち女性みんなの問題です」というメッセージにも、その思いが込められています。

フェミニストカウンセリングは、自分自身の問題を解決する自己変革と同時にジェンダー平等を実現する社会変革をも目標とし、私たちカウンセラーは女性たちが今よりもっと自由に、自己尊重的に、自己主張的に生きられるようにエンパワーしたいと願っています。

ウィメンズカウンセリング京都は、社会的課題に取り組む企業、「ソーシャルビジネス」としての性格を明確にし、持続的に事業展開することを希望し、2006年に株式会社として法人化しました。社会的課題の解決に取り組むことを事業活動のミッションとし、ビジネスの形態をとることによって継続的に事業を促進し、社会変革を目指します。

待合場所

フェミニストカウンセラーとは

フェミニストカウンセラーは、特定非営利活動法人日本フェミニストカウンセリング学会に所属しています。日本フェミニストカウンセリング学会は、1993年に結成され、毎年5月に全国大会を開催し、その他にも教育訓練として数多くの講座を開講しています。

2002年に、日本フェミニストカウンセリング学会認定のフェミニストカウンセラーが誕生しました。「フェミニストカウンセラー資格制度」の制定目標は、フェミニストカウンセリング理論・技術の更なる確立、フェミニストカウンセラーの質の管理や向上、フェミニストカウンセラー養成などにあります。また、2011年には、新たに「フェミニストカウンセリング・アドヴォケイター資格制度」が制定され、ウィメンズカウンセリング京都にもフェミニストカウンセリング・アドヴォケイター認定資格者が誕生しました。フェミニストカウンセリングの視点からのアドヴォケイターとして、DV・性暴力被害者への代弁・擁護活動、裁判支援を実践していきたいと考えています。

現在、フェミニストカウンセラーは、地方自治体の女性センターの相談員として、大学や行政などのセクハラ相談員としても活動しています。ウィメンズカウンセリング京都のスタッフも、大学や行政などのさまざまな女性相談の現場で、フェミニストカウンセリングを実践しています。

なお、ウィメンズカウンセリング京都のような開業カウンセリング・ルームは全国に約30か所あります。

WCKのカウンセリングの特徴

ウィメンズカウンセリング京都が実践しているカウンセリングは、フェミニストカウンセリングです。フェミニストカウンセリングでは、”personal is political”(個人的なことは政治的なことである)を理念としており、女性の悩みや困難の原因は、その女性個人の生まれつきの問題や生育歴だけにあるのではなく、むしろ私たちが暮らす社会の側や政治に問題があると考えます。フェミニズム運動から生まれたフェミニストカウンセリングが問題とする権力は、「男性」中心社会であり性別二元制や異性愛中心主義です。性を女と男のどちらかに分類する社会規範や、性的指向、民族や階級などで人を分類し差異化することに敏感でありたいと思っています。

このジェンダー平等の視点に立つフェミニストカウンセリングならではのカウンセリング・テーマは、「女性に対する暴力」です。性暴力(レイプ、セクハラ、児童期の性虐待など)やドメスティックバイオレンス(DV=パートナーからの暴力)被害者に対するカウンセリングは、フェミニストカウンセリングでなければ対応できないのではないかと考えています。さらに、性暴力やDVケースに対しては、面接室でのカウンセリング(トラウマ・カウンセリングを含む)だけでなく、関係機関(精神科医、弁護士など)とのネットワーキング構築のためにアドヴォケイト(代弁・擁護)活動を展開し、また多くのDVや性暴力裁判(調停)の支援をしてきました。

開設以来、私たちはこの問題に積極的に取り組み、カウンセリングとアドヴォケイトという協働作業を通して多くの性暴力・DVのサバイバーの方たちと出会い、伝統的カウンセリングにおいては未開拓であった性暴力・DVの分野で、サバイバーの方たちと共に考え、ときに女性差別に共に立腹し、過酷な被害からの回復を喜び合えるような実績をつみ重ねることができました。
 ※サバイバー…性暴力・DV被害から生還した人という意味で、サバイバーという言葉は、被害者の方たちへの尊敬の念を表したもの。

フェミニストカウンセリング実践を後押しするかのように、1997年に改正男女雇用機会均等法(セクハラ規定を含む)、1999年に「男女共同参画社会基本法」、2000年にストーカー規制法、2001年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)(2004、2007年改正)が施行されました。2004年には児童虐待の防止等にかかわる法律(児童虐待防止法)も改正され「DVの目撃は児童虐待である」とされました。2010年より性暴力被害者のためのワンストップセンターの設置推進が進められ、2017年には性犯罪に関する刑法が110年ぶりに大幅改正されました。こうした国内外の社会・政治的動向を受けて、フェミニストカウンセリングの存在意義はますます大きくなっています。

ウィメンズカウンセリング京都も、「京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター(京都SARA)」の運営を受託し、性暴力被害者支援をより充実させるとともに、DV被害者及びDV家庭で育った子どもたちへのカウンセリングにも積極的に取り組んでいます。

所在地

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