江原さんのお子さんが手術を受けて回復されるまでの間に、江原さんは苦しみ、心配し、その上、江原さんにかけられた母親役割－子どもが病気と闘っているというのに仕事をしたいとは何事！－と闘わなければならなりませんでした。

子どもの障害が重くて、いやおうなしに「障害児の母」をしている母親たちへの同情と、社会的対策の遅れを指摘した上で、江原さんは、私もすんでのところで「障害児の母」になってしまいそうだったと語られました。

落合さんは母娘関係に悩んだこと、母娘関係を重要視しているフェミニストカウンセリングへの期待を語って下さいました。

フェミニストカウンセリングは、従来の男性中心のカウンセリングではあまり問題とされなかった母娘関係の分析に焦点をあてていますが、この「母娘関係」は、女性の心理的葛藤を解くための鍵であり、男性と違って母という同性に育てられることの心理的困難を明らかにしてきました。

それは、とりもなおさず子育てが女性ばかりまかされてきた弊害でもあるのですが。
フェミニストであるお二人が、私たちと同じように悩み、その悩みに向き合い、むしろそこに立つことによって自分や自分の人生を拓いていかれたことに、感動し、同時に大いに勇気づけられました。
フェミニストカウンセリングの役割は、そんな女たちをサポートし、ともに成長し合うことだと考えます。